2022/06/29 - 7:10

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【札幌市】運転免許一発試験合格までの旅路: 届出自動車教習所ルート

筆者プロフィール

筆者はアメリカ留学時に免許を取得し、1年程日常的にオートマ車を運転していた。日本に帰ってきてすぐ外免切替しておけばよかったのだが、ダラダラしているうちに有効期限が切れてしまったため、日本では一から免許を取ることになった。「運転は出来るんだし受かるべ」と軽い気持ちで一発試験に挑戦したが、仮免受験に3回落ち(東京で1回・札幌で2回)、最終的に諦めて届出教習所(詳しくは後述)に入校した。せっかく学校に通うなら…とマニュアル免許の受験にチャレンジ。仮免は一発合格。本免試験は3回落ちてしまい、4回目で合格した。なお、仮免・本免共に学科試験には一回で合格することが出来た。入校から1か月半で卒業。(1)全く運転経験のなかったMTでの受験だったこと (2) 他の生徒(完全初心者)の進捗具合の2点から判断して、1か月半というのは運転未経験者でも全然可能なタイムラインだと思う。むしろ初心者の方が、変な癖がついていない分有利かもしれない。あとは勝負強さ次第である。筆者の場合、お盆やオリンピックによる祝日で練習や試験日が後ろ倒しになっていなければ、もう少し早く免許を取れたかもしれない。

一発試験(飛び込み試験)とは何か・その費用

普通に自動車学校に通って普通一種免許1を取るには20~40万2くらい必要になる。大金だ。免許を取るには(1)仮免学科 (2) 仮免実技 (3) 本免学科 (4) 本免実技の4つのステップをクリアしなければならない。学科(道路交通法)は独学し、運転は親や友人3に教えてもらって、サクッと試験だけ受ける方法はないのだろうか。答えはイエス。それがいわゆる一発試験というやつで、地域の運転免許センター/試験場で受験することが出来る。例えば札幌市の場合4上手くいけば26,000円程で免許を取得することが出来る(下記表+市販の学科教材費約1,000円を足した金額)。

札幌市 普通一種 一発試験受験料
練習コース使用料は札幌運転免許試験場の金額をベースに計算している。1時間1,400円なので、仮免の練習に10時間、本免許の場内課題(縦列駐車 or 方向転換)用に2時間である。

一発試験だと、取得にかかる時間も大幅に短縮できる可能性がある。通常の自動車学校(指定校)に通うと、学科・実技共に法律で最低教習時間が定められている。しかし一発試験受験者に適応される時間的制約は「仮免取得後に本免許試験を受験するまでに最低5日間かつ計10時間の練習を行う」ことのみなので、理論的には一回練習して仮免受験することも可能というわけである。

とはいっても一発試験の難易度は非常に高い。試験官は初対面の警察官であり、とても緊張する。あくまで参考値であるが、2017年の普通一種免許の一発試験合格率は4.4%というデータもある。元自動車学校教員の方が一発試験のコツを教えてくれる素敵なサイトもある。しかし(少なくとも筆者にとって)現実は厳しかった。試験場特有の注意ポイントもあり、プロの助けがないと合格は極めて難しいというのが経験者としての感想である。ここで登場するのが、一発試験対策を生業とする届出自動車教習所である。

仮免実技コース 1例
右左折するときは30m前からウインカーを出さねばならない。例えばこの図のように、道なりに右カーブした直後に右折がある場合は、黄色地点くらいで既に右折のウインカーを出す必要がある。「そんなの暗記するしかなくね?」みたいな試験対策の一例だ。

届出自動車教習所とは何か・入校するメリット

一般に「自動車学校」と聞いて人々が思い浮かべるのは「指定自動車教習所」だろう。前述の通り学科・実技共に最低教習時間が定められており、いくら覚えがよい人でも教習を短縮して卒業することは出来ない。最大の特徴は実技試験を学校で受けられることであり、95%の人が指定校を通じて免許を取得しているらしい。

それに対し、学科は生徒に自習させ、一発試験用に運転技術だけを指導する学校のことを届出自動車教習所と呼ぶ。先に述べたように、一発試験には仮免→本免までの練習時間についてしか規制が存在しないので、覚えが早い人はサクッと免許を取れるかもしれないし、学科の授業を受ける必要がないので時間的拘束も少ない。加えて、一般的に届出教習所の方が費用が安い。この自由度の高さと価格が届出教習所の最大のメリットである。最大のデメリットは、実技試験の難易度が高いことだろう。単純に一発で合格する人とは顔見知りになって話す機会がないからかもしれないが5、肌感覚だと仮免・本免共にみんな2-3回は落ちている。6回目でやっと合格というケースも聞いたことがある。

届出教習所に通うと言っても(1)正式に生徒として入校する (2)時間制教習を活用する の二つの選択肢が考えられる。時間制教習とは文字通り、1時間1万円みたいにスポットで教習を受けることを指し、両親・友人との練習と組み合わせて試験に挑む方法だ。うまくいけばこの方法が一番安い。例えば仮免・本免ともに5時間ずつスポット教習を受け授業料を10万円に抑えるといった方法だ。ただし、この方法だとあくまで個人受験とみなされる(と思う)ので一つ大きなデメリットがある。それは、試験に落ちても自分の成績が分からないということだ6。正式に届出教習所の生徒となると、試験官が教習原簿(という冊子)に減点項目を記入してくれるので「私の課題は安全確認だな。次はあと1つミスを減らせば合格だな」といった現状確認が出来る。個人受験ではこれが出来ないのが最大の難点だと思う(厳密に言うと試験官は一回の試験につき1つだけ「ふらつき運転を気をつけてください」といったアドバイスをくれる。ただし、自分が合格ライン70点の30点だったのか65点だったのかは分からないわけだ)。筆者は入校を決意するまでに3か月ほど個人受験に挑戦しており先の見えなさが辛くなってきたので、「入校さえしてしまえば何回落ちても受かるまでサポートを受けられる」という魅力に屈し、この悩みをお金で解決することにした。次の段落から、正式に届出教習所に入校した筆者の経験を紹介する。

届出教習所(苗穂自動車学校)入校から卒業まで: 費用について

札幌には届出教習所が4校ある。筆者が選んだのは苗穂自動車学校だ。単純に一番安かったし、入校してしまえば(仮に試験に落ちまくって)教習回数が増えても料金据え置きというのが安心である。入校時には学科教材をもらえたので、学科対策は単純に教科書を読んで、模試を解いた。最終的な費用は以下の通りである。緑は自動車学校に払った金額、灰色は運転免許試験場に払った金額である。適性検査・特定講習は苗穂自動車学校を通して検査・講習実施機関に納めている感じだと推測する。

苗穂自動車学校 卒業までの費用1例
苗穂自動車学校 免許取得にかかった費用 (筆者の場合)

合計金額は30万弱であった。抑えられる費用があったとすれば、落ちた本免受験3回に関わる申請手数料3,000円と受験料10,050円だ。ストレート合格だったら28万ほどで免許を取得できたことになる(よほど勝負強くないと難しいと思うけれど)。参考までに、例えば指定校の桑園自動車学校の場合MT初心者にかかる費用は税込み338,000円で、麻生自動車学校では335,940円である。指定校でも試験に落ちれば追加で費用が発生するし、筆者のように1か月半で免許を取ろうと思ったらハイスピードプランでさらに数万円必要になるかもしれない7。ということで、初心者でも届出教習所の方が(一般的に)早くて安いというのは事実といって良さそうである8

苗穂自動車学校 入校から卒業まで: 運転教習について

仮免の練習は運転試験場内で、本免は実際の路上試験コースを使って行うことになる。手稲駅まで送迎があるので、車がなくてもアクセスに不便はなかった9。仮免の練習は月~金の16-19時の間、本免の練習は逆に朝から15時くらいの間に行う(本免のみ土曜の午前中も対応可能)。教習は原則1日1時間だが、場合によっては90分~2時間乗ることもあった。(筆者を指導してくれた)教官は2人いて、どちらも優しく(もちろん時に厳しく)教えてくれた10。基本的には教官と二人での教習だったが、生徒がもう一人いて順番に練習するケースも数回経験した。人の運転を見て学べることもあるので、結構いい勉強になった。

入学から仮免受験までは3週間で、10日にわけて15時間ほど練習し、初回で合格することが出来た。札幌の試験場では仮免試験を月・水・金に実施しており、午前中に学科試験、受かれば同日午後に実技試験という流れである。もし落ちてしまっても、次回からは実技試験だけを受験すればよい11。その場合午前中の受験(朝8時頃~) or 午後受験(12時頃~)のどちらかを選ぶことが出来る。なお、1日に2度実技試験を受けることは出来ない

翌日から路上教習が始まり、同じく10回15時間ほど練習し、約2週間後に初受験。学科は受かったが実技は不合格であった。本免の試験は火・木に実施されている。落ちたら1-2回教習&最短の試験日で受験を繰り返し、4回目の試験で合格することが出来た。さすがに何度も落ちると悲しくなってくるけど、受かるまで続けるしかない。札幌の試験場はそんなに混んでいないので、すぐに次の試験を受けることが出来る。東京の場合学科と実技の日にちが分かれており、さらに実技試験が1か月待ちみたいな感じだったので、急いでいる人には向かないかもしれない。

お世話になった先生方にここで再度感謝を述べたい。ありがとうございました!

おわりに

担当教官の一人が「一発試験は受からないって言われてるけど、学校にも通わず個人で受験してもそりゃ無理だ。試験場でも学校で教えられた通り運転すれば普通に受かる」と言っていた。個人受験と学校経由での受験両方を経験した筆者も同感である。発進前の5点確認、右左折前の幅寄せ、実際にこんなことをやっているドライバーはいないだろう。筆者が一番減点されたのは操縦技術ではなく、安全確認についてであった。試験場で要求されたルール通り運転できないと受からないわけだから、そのルールを知らない両親や友人の指導で受かるのはかなり難しいと思う12

一発試験ルートで免許を取りたければ、何らかの形で届出教習所のサポートを得る必要があるだろう。その際には、先に述べた教習原簿(採点表)の有無を考慮するといい。多くの経験者がネットに書いているが、しっかりと対策をしなければ何度も何度も受験料を払うことになり、気付いた頃には「おとなしく学校に通った方が安かった」なんてことにもなりかねない。筆者も個人受験での試験代を無駄にした一人なので、ぜひ参考にしてくれると嬉しい。届出教習所に通っても試験は難しかったし、実際3回も落ちた。でも最終的には合格することが出来たし、他に合格した人を何人も見ている。もし何度も落ちて心が挫けそうな人がいれば「自分にだって出来る!」と自信を持って再チャレンジしてみましょう。応援してるぜ。

意識高い系社長が言いそうであるが、この経験を通して再認識したのは、機会費用13を考慮する大切さだ。当たり前だけど、個人受験している間にさっさと学校に通って免許を取っておけば、失った時間に授業料より多くのお金を稼げていたかもしれない。人生レッスンとして、今後資格のような明確な目標があるときは、金がかかっても最短経路を進むようにしたい。自己投資ってやつだ。実際筆者は4月の段階で一度免許合宿を検討していて、結局行かなかったばっかりに気付いたら8月末である。

ここまで来て身も蓋もない結論であるが、免許を取るのに一番安く早いのは指定校での免許合宿だと思う。時期によっては授業料23万前後、そして2-3週間で免許を取得することが出来る(交通費も支給される)。なので、最短最安で免許を取りたい人は(1)合宿免許 (2) 届出教習所 (3) 近所の指定校の順番で探すのが合理的だろう。前述の通り東京では一発試験の待ち時間が長すぎるから、一発試験に挑戦したい人はまず、近所の試験場に電話して、大体の待ち時間を把握するのがいいだろう。筆者は色んなエピソードを語れる人間になりたいと思っている。決して効率的とは言えない道のりだったけど、割と珍しいルートで免許を取ったという意味でいい経験になったと負け惜しみを吐いて終わりとする。


脚注:

  1. 以下単に「免許」と表記する。
  2. もちろん入学時期・学校・取得免許(MT/ATなど)に変わってくるが、大体こんな感じな気がする(筆者調べ)。
  3. 厳密には免許を持っていれば誰でもいいわけではないので、実際に練習を始める前に調べて下さい。ソース一例
  4. 自治体ごとに試験手数料や貸しコース使用料など、若干の違いがあるかもしれない。例えば東京の場合、試験手数料は同じだが、貸しコースが1時間2,200円(傷害保険料込み)だった。
  5. 生存者バイアスならぬ「死亡者バイアス」と言えるかもしれない(笑)。
  6. これは正直、札幌以外でもこういう仕組みなのか分からない。少なくとも東京で一度個人受験した時は採点表なんてもらえなかった。知ってる人がいたらコメントで教えて欲しい。
  7. 今はコロナの影響で人数制限をしている指定校も多いようで、私が電話確認を入れた札幌の学校はそもそも入校不可だったり、出来ても免許取得まで半年かかると言われたりした。加えてハイスピードプランを中止している学校も多い。とある指定校はハイスピードプランも対応可能で1か月で卒業させると言ってくれたが、授業料が45万円と言われて諦めた。
  8. 免許取り消しの人は授業料が148,500円、更新忘れ(仮免許保有者)は93,500円なのでもっとお得である。
  9. 試験場・手稲エリアであればある程度融通がきくみたいなので、相談してみてもよいかもしれない。
  10. こちらから教官を指定できるかは分からないけど、特にその必要もないと思う。
  11. 学科合格の有効期限は半年あるので、まあ大丈夫でしょう。
  12. もちろんそういうレアケースもあると思うので、もし知っていたらぜひコメントで教えて欲しい。
  13. 経済学の概念で「ある選択肢を選んだ場合に、その選択肢を選ばなかった場合に得られたであろう便益のことを指す」
  14. ちなみに東京ではルーチェドライビングスクールで2時間スポット教習を受講した。ここの先生もとても優しくておススメである。東京で仮免試験を受けた時は、アメリカで運転していた時の癖で逆車線に入りかけ、不合格になった。穴があったら入りたい。
  15. 個人受験の時に使用していた学科教材は以下である。仮免学科はこれで問題なく合格できたから、一冊欲しい人にはおススメだ。

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